「RMIT大学院に入ってまだ1年なんですけど、自分でもすごく成長したと感じています。やはり一緒に学んでいる人たちも本当にすごく上手で、アイデアも独創的で、それを見ているうちに自然と、自分でもがんばるようになったんだと思います。だから、今こうしていろんなところから声をかけてもらえるようになったのも、そうした努力が作品にも表われるようになってきた結果なのかなと思っています。
私の研究の1つに樹脂があるんですが、樹脂と言ってもたくさん種類があって、1つひとつの特徴が全部違うんです。それでいろいろ試して見つけたのが、ただ型に流して形を作るというだけじゃなくて、糊として使ったり、別の素材の上にかけたりとか、いろんな使い方ができるということ。その透明な樹脂の中に、小さな世界というか空間を、中からデザインして、それを体に着けられるようなものに落とし込んでいくというのも課題の1つですね。
新しいものを作る時は、着け心地は全く考えていません(笑)。例えば、ネックレスを作ったとして、それを作り終えてから初めて、『これ、すごくきれいだけど、着け心地がすごく悪い』というのが分かるんですね(笑)。それが分かったら、今度は少し違う形で同じものを作るんですけど、その時は前回見つけた着け心地の悪かった部分を改善して作るようにします。そうやって、少しずつ改良して着けられるものにしていくんです。
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中央の樹脂でできている「石」の部分は、
内側の色漬けからすべて及川さんの手作りだ
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留め金の部分にもこだわったという自信作
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