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新スーパーアニュエーション特集
節税に有利 !? 新スーパー Q&A

新スーパーアニュエーション特集  2007年7月1日、スーパー・アニュエーション(年金、以下スーパー)制度が大きく改正されることになった。この制度の改正により、老後を無税で過ごすのも夢ではなくなるという。老後をオーストラリアで過ごそうと思う人にとってはまさに朗報。本特集では、改正の概要とともに、普段疑問に思っているスーパーのことを、Q&A形式で豪州公認会計士、ブリース洋子氏にお答えいただく。

ブリース洋子(公認会計士)
日本で大手麦酒会社に勤務後渡豪し、グリフィス大学国際ビジネス学部と商学部を卒業。
2000年より、一般の会計事務所が提供するサービスの他に、ファイナンシャルプラニング、財務捜査(法廷で必要な財務情報を専門とする)、企業金融などの分野も専門的に取り扱う
「WMS公認会計事務所」に勤務。

Web:


【7月1日改正の概要】

1. これまでも年金受け取り時には、低税率だったスーパー。しかし、60歳以上の加入者であれば、退職年金を受け取る時、一括で受け取っても、定期的に受け取ることにしても、完全に無税で受け取ることができるようになります。場合によっては、税金申告をする必要がなくなります。
2. 加入者は55歳になれば、仕事をしながらにして、年金を受け取ることができます。しかもこの年金には、かなりの低税率が適用されます。
3. 政府から受けることができる老齢年金(スーパーからの退職年金とは異なります)を受けとるための、資産テストのハードルが低くなります。カップルで、持ち家を含めない資産価値が、52万3,500ドル以上ある場合には一切年金を受けることができませんでしたが、2007年9月20日から、資産価値が80万3,100ドル未満であれば、何らかの年金を受け取ることができるようになります。
4. 60歳以上のスーパー加入者の大部分が、積立額に関係なく、ヘルスカード、電話や電気代の手当てを受けることができるようになります。
5. 75歳になったからといって、年金を強制的に受け取る必要がなくなります。
6. 積立の年齢制限が70歳から75歳に延期。
7. 自営業の人も、所得控除の積立をすることができるようになります。
8. 自営業者も、政府からの退職年金補助金を受けることができるようになります(自分で積立をする場合、政府が最高1,500ドルまで補助として積立をしてくれる制度が自営業者にも適用)。
9. 積立限度額の変更(以下に現在と改革後の限度額比較)。一番注目すべき点は、今年の6月30日まででしたら、所得控除をしなければ、何と100万ドルまで積み立てることができることです!なお、「所得控除をする積立金」と「所得控除をしない積立」の違いについては、A3で説明します。

2007年6月30日まで

  35歳未満 35〜49歳 50〜70歳
所得控除をする積立額 $15,260 $42,385 $105,113
所得控除をしない積立額 $1,000,000 $1,000,000 $1,000,000
合計
$1,015,260 $1,042,385 $1,105,113

2007年7月1日まで

  50歳未満 50歳以上
所得控除をする積立額 $ 50,000 $100,000
所得控除をしない積立額 $150,000 $150,000
合計
$200,000 $250,000

 上記の通り、これまでより、もっと簡単で、もっと柔軟性のある制度になります。さて、改正の概要を踏まえた上で、よく質問される内容を下記に抜粋しました。


icon_qQ1: そもそも、スーパーって何ですか?

icon_aA1: スーパーファンド(基金)を通して、加入者が、老後に備えた積立を行うことです。スーパー自体は投資ではありません。


icon_qQ2: 改正後のスーパーファンドの税率を教えてください。

icon_aA2: スーパーファンドの税率は、とてもお得です。
スーパーにどんな税金がかかるのか、基本事項を以下にまとめてみました。

(1)積立をする時  
* 所得控除をする積立には15%を納税
* 所得控除をしない積立は無税
(2)ファンド内の収入(積立額をもとにファンドが投資します)
* メンバーが55歳未満であれば、15%を納税
* メンバーが55歳以上で年金を受け取るのであれば無税
(2)引き出す時
* メンバーが55歳から59歳である場合、基本的にはかなりの低税率。積立合計額のうち、所得控除をしない積立が大部分を占めていれば、ほとんど無税。
* メンバーが60歳以上である場合は無税。ちなみに、会社税は30%一律、個人の場合には、最高税率は46.5%です!


icon_qQ3: ファンドへの積立をすると、それだけで節税できますか?

icon_aA3: もちろんできます ! 「所得控除をする積立」をすると、積み立てた年度の課税対象となる収入が減るので納税額が減ります。所得控除をする積立の代表的な例として、(1) 雇用主が従業員のファンドに、給料とは別に支払う法定最低積立と、(2) 給料から天引きし、雇用主が従業員のファンドに直接積立てるサラリー・サクリフィスが挙げられます。(1)の場合には、積立金が、雇用主の経費として認められ、(2)の場合には、従業員の給与が、天引きされた分減りますから、その従業員の納税額が減ります。所得控除をした積立ての場合には、積立ての際に、15%の税金が徴収されます。ですから、(1)や(2)の方法で1万ドルを積み立てた場合、1,500ドルが納税され、ファンドには残りの8,500ドルが残ります。それでも、例えば所得税率が46.5%である人が、1万ドルをサラリー・サクリフィスすれば、4,650ドルの税金を支払う代わりに、1,500ドルを納税するので、大節税となるわけです。
反対に、「所得控除をしない積立」は、「納税後の積立」とも言われます。それは、納税すべき税金をすべて支払った後に、手元に残ったお金を積み立てるからです。この種類の積立をしても、その年度の納税額を減らすことはできません。しかし、Q2にあるように、「所得控除をしない積立」は、積立時にも無税、年金受取り時にも、無税という、大変に優れものです。


icon_qQ4: 私は、サラリーマンではないので、サラリー・サクリフィスも、雇用主による積立もしてもらっていません。それでも所得控除をする積立ては可能ですか?

icon_aA4: もちろん可能です。ただし、今年の6月30日までですと、年齢により、上限があります。詳細は、左の表内をご参照ください。


icon_qQ5: 私のビザはワーキング・ホリデーなのですが、雇用主がスーパーを支払ってくれません。ワーホリだと、支払ってもらえないのでしょうか?

icon_aA5: いいえ、ビザに関係なく、月額税込みで450ドルのお給料を受け取っていれば、雇用主は、給料の9%を従業員のファンドに積立てる義務があります。


icon_qQ6: 私は53歳です。先日、不動産を売却して、大きな利益が出てしまいました。今年の6月30日までに、スーパーに積立をして、何とか税金を減らすことはできますか? 

icon_aA6: ご心配なく!もしも、50歳以上の方でしたら、所得控除をする積立は、10万ドルちょっとまでできます(改正後の概要の表参照)。もしも利益が10万ドルでしたら、10万ドルの積立をすることによって、税金をゼロまで減らすことだってできます。このほかに、今年の6月30日まででしたら、所得控除をしない積立も、100万ドルまで積み立てることができます。ただし、来年からは、この種類の積立は、年間15万ドルまでとなりますから、100万ドルを1度に積み立てるチャンスは、今しかありません。


icon_qQ7: 何歳まで積立ができるのでしょうか?

icon_aA7: 65歳以上75歳未満でしたら、30日間で40時間以上の就労をしていれば、積立てることはできます。しかし、75歳以上になると、積立をすることができなくなります。


icon_qQ8 もしも、加入者が死亡したらどうなるのでしょうか?

icon_aA8: 配偶者や18歳未満の子供が一括で受け取る場合には、無税です。しかし、定期的に年金として受け取る場合には、受取人が、加入者死亡時に60歳以上であれば、無税ですが、60歳未満の場合には、60歳になるまで、限界税率が適用されます。18歳以上の子どもが受け取る場合には、一括払い のみとなり、所得控除をした積立から受け取る場合には、16.5%の税率が適用されますが、所得控除をしていない積立から受け取る場合には、無税となります。

 

 以上は、一般的な情報をご提供する目的で作成されました。実際にご利用の際には、皆様の状況に合わせたアドバイスを、専門家から必ずお受けください。

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