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特集 2007年度タックス・リターンの傾向と対策
実用保存版 タックス・リターンのすべて −所得税申告の完全習得−
 

特集

鳥居税務会計事務所
登録税理士 鳥居育雄

 今年もまた7月から所得税申告(タックス・リターン)の季節を迎えます。
5月8日に明らかにされた連邦予算案により、今後も所得税の減税が行われることになり、ここ数年の分と合わせると、高額所得者には棚ぼた式の大きな恩恵となります。一方、日本では、定率減税の廃止により低中得者層を中心に2兆円近い家計負担増となるのに加え、参議院選挙後には消費税増税が行われるのも確実です。大きな財政黒字を抱えるオーストラリアと膨大な借金に苦しむ日本との対照は鮮明です。今後もこの傾向は続くと予想され、オーストラリアの租税負担は、アメリカに次いで下から2番目に軽い先進国となりましょう。
『タックス・リターン=税金の戻り』と誤解している人がいます。確かに、給料をもらっている人は、PAYG Withholdingとして少し多目に源泉徴収されていますので、申告により、多くの人は返してもらうことになります。しかし、給与所得者でも、まだ課税されていない銀行利息や株式配当がある場合には、反対に申告により納税することもあります。ワーキング・ホリデー・ビザ所有者は、税務上も非居住者となります。非居住者の場合、最低でも29%の税率で払わなければなりませんので、返還される額はそんなに大きなものとはなりません。低い率で源泉徴収されている場合には、申告により逆に納税することもあります。ワーホリの方で、引き続きオーストラリアに住む場合には、遅くても6月中にほかのビザ(学生、ビジネスなど)に切り替えることです。そうすれば、2,000ドル以上の税金の戻りが期待できます。
基礎知識編、質疑応答編と最新情報編に分けて解説してありますので、これを読めばタックス・リターン制度を完全に習得でき、税の達人になれます。今年10月31日までの申告に備え、長期保存し、自分でどのくらい戻るのか、計算してみてください。

基礎知識編

ステップ1 タックス・リターン制度を理解する
所得税の基礎的な仕組みは、日本を含めて、世界的にほぼ同じです。まず、課税所得の計算方法など、タックス・リターンについての基本的な仕組みを理解しましょう。

所得税の申告(タックス・リターン)
オーストラリア連邦国税庁(ATO)に対して、毎年7月から6月(2007年度は2006年7月1日から2007年6月30日まで)までの収入、必要経費やそのほかの税務情報を記載した申告書(タックス・リターン)を提出し、ATOから課税所得額、税額そのほか通知されることにより、戻ってくる金額または納付すべき金額が決定されます。

納税者番号(タックス・ファイル・ナンバー=TFN)

オーストラリアで働く場合には、納税者番号(タックス・ファイル・ナンバー)を取得する必要があります。これを勤務先や金融機関に通知しないと、最高税率(46.5%)で源泉徴収されます。納税者番号を取得するには、ATOに出向いてまたは郵送により申請しますが、その際には、有効ビザのあるパスポート、運転免許証や銀行口座明細書など本人を確認する書類が必要です(6カ月を超える学生ビザの方は、居住者として申請してください)。

居住者と非居住者

納税者番号を申請する時に最も注意しなければいけないのは、税務上の居住者(Resident)と非居住者(Non-resident)の区別です。この違いにより、納税額が大きく変わるからです。税務上の居住者・非居住者は、ビザ上の居住者・非居住者と必ずしも一致しません(以下の説明では、すべて税務上の居住者・非居住者をいいます)。通常、その年度に半年以上居住する人は、居住者と認定されます。したがって、永住権所有者、ビジネス・ビザで働く人、6カ月を超える学生ビザの所持者などは居住者になります。例外は、ワーキング・ホリデー・ビザ所有者で、半年以上居住しても、税金の点では非居住者扱いです。後ほど説明するように、一般的には、居住者の方が税金の上では有利なので、タックス・ファイル・ナンバーを申請した時に誤って非居住者と申請した方やワーキング・ホリデー・ビザから年度途中に学生ビザやビジネス・ビザなどに切り替えた方は、速やかにATOに出向き、新しいビザを提示して、居住者に変更すれば、その後の税務申告が円滑に処理されます。
居住者は、オーストラリア国外の収入を含め、すべての所得を申告しなければならないのに対し、非居住者は、オーストラリア国内から発生する所得だけを申告します。

タックス・リターンの提出義務者

次のような人は、原則として、2007年10月31日までに所得税の申告書を提出しなければなりません。

・ 居住者で、年間の課税対象となる所得金額が6,000ドルを超える人
・ 非居住者で、年間の課税対象となる所得金額が1ドル以上の人
・ 事業を行っている人や前年度に損失(赤字)の申告をした人
・ 居住者で、賃金や銀行利子などに関して源泉徴収された人(返還が期待できます)

所得税額の計算方法
所得税額の計算方法は、日本もオーストラリアもほとんど同じです。課税対象となる収入(給料、事業売上げ、銀行利子、株式配当など)から必要経費を引いて、課税所得金額を算出します。
収入(Assessable Income)−経費(Allowable Deductions)=Taxable Income(課税所得)
この課税所得金額に次の表の税率を掛けて、所得税額を算出します。所得税の税率は累進課税(Progressive Tax)ですので、税率は段階的に順次適用されます。適用される一番高い税率を最高適用税率(Marginal Tax Rate)といいます。課税所得金額に対する税額は、表中の速算式で計算してください。例えば、課税所得金額が3万6,500ドルの場合、36,500×0.30−4650で、税額は6,300ドルとなります(前年度よりも510ドル程度減税となっています)(ちなみに15万ドルの人は、6,200ドルの減税)。

所得税率(居住者の場合)(メディケア課税1.5%を除く)
課税所得金額 税率% 税額速算式
6,000ドルまで ゼロ ゼロ
25,000ドルまで 15 ×0.15−900
75,000ドルまで 30 ×0.30−4,650
150,000ドルまで 40 ×0.40−12,150
150,001ドル以上 45 ×0.45−19,650

 ワーキング・ホリデー・ビザ所有者などの非居住者に対する所得税率は次の通りで、6,000ドルまでの非課税分がなく、税率が始めから29%であることやメディケア課税(1.5%相当)がないことが異なっています。前述と同じ課税所得金額が3万6,500ドルの場合、非居住者の税額は36,500×0.30−250で、1万700ドルとなり、メディケア課税を計算に入れても、3,852ドル50セント税額が多くなります。

課税所得金額 税率% 税額速算式
25,000ドルまで 29 ×0.29
75,000ドルまで 30 ×0.30−250
150,000ドルまで 40 ×0.40−7,750
150,001ドル以上 45 ×0.45−15,250

 次に、この税額から税額控除(Tax OffsetsやTax Credits)を引き、居住者の場合にはメディケア課税額(通常は所得金額の1.5%)を加えて支払税額(Tax Payable)を計算します。最後に、この支払税額から源泉徴収された税額(PAYG Withholding)など既に支払ってある額を引き、答えがプラスになればその金額を支払い、答えがマイナスになれば、その金額が返ってきます。

源泉徴収票 (Payment Summary または Group Certificate)
遅くても7月14日までには雇用主から被雇用者に渡されるはずの源泉徴収票には、納税者番号、雇用主の名称、源泉徴収額、支払給料額、各種手当の金額などが記載されています。タックス・リターンでは一番重要な資料ですから、内容や金額を確認してください。間違いがある場合には、雇用主に申し出て、訂正するようにしてください。

所得税の申告期限

2007年度のタックス・リターンは、原則として07年10月31日までに申告しなければなりません。なお、登録税理士を利用する場合には、最長08年5月半ばまで延長が認められます。申告により税金を追加して支払わなければならない場合には、これらの期限を過ぎると、罰金や利子が加算されます。反対に、申告により税金が戻ってくる場合には、いつでも申告できますが(10年後でも可能)、早く申告すれば、それだけ早くお金を手に入れることができます。

所得税の申告の方法

タックス・リターンを行う場合、次の3つの方法があります。

・ 登録税理士に依頼して行う。
・ ニュースエージェンシーなどで『TAXPACK』を入手し、添付の申告書により行う。
・ 国税庁より納税ソフトウエア『e-tax』を入手し、インターネットにより行う。

 オーストラリア人でも8割以上は登録税理士に依頼しています。専門的アドバイスにより最大限に節税できること、無駄な時間が節約できること、2週間以内に還付されることや料金が翌年度に必要経費となることなどから、英語に強く、所得税制度をよく分かっている人を除いて、信頼できる登録税理士に依頼するのが無難です。

ステップ2 自分の税額と戻ってくる金額を概算する

この1年間のPayment Summaryに記載された支給総額(Gross Payment)の額を合計し、そのほかの収入(銀行利息等)を加え、総収入額を出す。この総収入額から収入のために自ら負担した必要経費(明細が不明な場合には、300ドルと仮定)を控除する。その控除後の金額(課税総所得金額)に上記の表を用いて計算した税額を算出する(居住者の場合にはメディケア課税1.5%を加える)。これにより得た税額とPayment Summaryに記載された源泉徴収額(Tax Withheld)を比較し、払い過ぎている場合には、その差額が返還される(足りない場合には、差額を支払う)。
(注 これはあくまで概算です。正式な計算には、そのほかの要素が必要です。)

質疑応答編

税金が戻ってくる理由

なぜタックス・リターンをすると税金が戻ってくるのですか ?
給料をもらっている人は、給料の支払いの度に税金が源泉徴収されています。この源泉徴収額は現実より多目に計算されていますので、タックス・リターンをすることで税金が戻ってくる場合が多いのです。源泉徴収額は通常150ドルくらい多めに徴収されています。したがって、タックス・リターンを出すだけで約150ドルが戻ってくることになります。実際には、控除できる必要経費があり、また、逆にまだ税金を払っていない銀行利子などもあります。戻ってくる金額の目安は、次のようになります。
●150ドル+[(必要経費−銀行の利子など)×最高適用税率]

必要経費により戻ってくる金額

私の給料は3万ドルです。仕事のために必要な本や文房具に360ドル、昨年のタックス・リターンのために105ドルを使いました。465ドルが戻ってくるのですか ?
  この方のように誤解している人が多いようです。必要経費などにより戻ってくる金額は、前問の通り、その必要経費の金額に最高適用税率(この場合30%)を掛けた額です。したがって、この方の場合、(360+105)×0.3=140ドルになります。ただし、150ドル程度多めに源泉徴収されているのが通常ですので、実際には、150+140の約290ドルがタックス・リターンにより戻ってくるものと見込まれます。

学生ビザ所有者のタックス・リターン

私は1年間の学生ビザによりレストランで働いており、給料は2万ドルで、源泉徴収額は2,400ドルでした。必要経費などは特にありません。私がタックス・リターンすれば、いくら戻ってくるのですか ?
  6カ月を超える学生ビザの所有者は、所得税では居住者扱いとなります。基礎知識編の表にある税額速算式により、この方の支払い税額は次のようになります。
●20,000×0.15−900=2,100ドル。
後で説明するように、この方の場合には、メディケア課税も免除されますので、2,100−2,400=マイナス300、つまり、300ドル戻ってくることになります(実際には、このほかに低所得者税額控除があり、戻ってくる金額はさらに600ドル増加し、900ドルとなります)。学生ビザ所有者が税務上の居住者となるためには、次の条件が必要です。
・ 学生ビザの期間が6カ月を超えていること
・ 納税者番号(TFN)を申請した際に、居住者(Resident)と申請していること

ワーキング・ホリデー・ビザ所有者のタックス・リターン

私はワーキング・ホリデー・ビザです。日系レストランで働いており、年間の給料は2万ドル、源泉徴収額は2,400ドルでした。必要経費などはありません。タックス・リターンをすれば、1,000ドルが戻ってくるのですか ?
  前述の通り、ワーキング・ホリデー・ビザ所有者は、所得税では非居住者扱いとなります。この方の場合、支払うべき税額は、基礎知識編の表にある税額速算式により20,000×0.29の5,800ドルです。まだ2,400ドルしか払っていませんので、タックス・リターンをすれば、3,400ドルを追加して支払うことになります。この日系レストランの経営者は、手取り収入を多く見せるために、本来29%で源泉徴収すべきところを、居住者の徴収率である12%で済ませたものと思われます。この方本人の責任ではありませんが、タックス・リターンをして、追加して支払うことになります。このように全く同じ状況でも、学生ビザ所有者とワーキング・ホリデー・ビザ所有者では、結果が大きく異なります。ワーキング・ホリデー・ビザで働く場合には、税金の扱いでは非居住者となり、税率が高いことに十分注意してください(非居住者には、前問の低所得者税額控除=600ドル=は適用されず、この点でも非居住者は不利となります)。

ワーキング・ホリデー・ビザでの税金の戻り

私はワーキング・ホリデー・ビザで働いており、給料は1万ドルです。ある税理士事務所では、ここでタックス・リターンをすれば、1,500ドルは戻ってくると言っています。本当でしょうか ?
  ワーキング・ホリデー・ビザ所有者は非居住者で、適用される税率は最低でも29%です。したがって、この方の場合2,900ドルが源泉徴収されているはずです。タックス・リターンをすれば、仕事のための必要経費×29%が戻ってきます。例えば、制服の洗濯代と仕事のための携帯電話代の合計350ドルが必要経費とすると、350×0.29=102ドルが戻ってくる計算となります(通勤費は必要経費となりません)。また、29%で源泉徴収されていない場合には、逆に、追加して支払うことになります。いずれにしても、1,500ドルというような大きな金額が戻ってくることは通常はありません。このように説明する税理士にタックス・リターンを任せると、不正な申告をしたことになり、本人は非常に大きなリスクを抱えることになります。

年の途中での日本への永久帰国

私は6月1日に日本に帰国することになりました。再びオーストラリアに戻ることはありません。この場合、タックス・リターンはどうするのですか?
オーストラリアの所得税は、7月から6月までが計算期間ですから、7月前に出国する場合には、特別な申告が必要となります。次の2つの方法があります。
a 出国前の申告
オーストラリアを出国する前に、源泉徴収票と必要経費などの資料がそろえば、出国前の申告が可能です。この場合には、パスポートと帰国航空券のコピーが必要です。還付される金額の小切手は、オーストラリア国税庁により日本の指定する住所に送付されます。豪ドル建ての小切手は、外国為替取扱銀行で日本円に交換できます。銀行口座を残しておく場合には、豪州国内の銀行口座への振込みも可能です。
b 出国後の申告
オーストラリアを出国する前に、源泉徴収票と必要経費等の資料がそろわない場合には、通常のタックス・リターンと同じ取扱いとなります。出国前に関係資料を税理士に預け、提出された源泉徴収票により、7月以降に申告します。還付される小切手等の取扱いは、事例aと同じです。
(※帰国時のスーパー引き出しについては、後掲の質問と回答を参照してください)

必要経費の請求限度額

昨年依頼した税理士は根拠のない業務関連費を申告し、多額の税金が返ってきましたが、不安になりました。必要経費はいくらまで請求できるのですか ?
給与所得者に関する必要経費(Work related expenses)には、次のものがあります。
・ 業務のための自動車経費や交通費(通勤に関するものは認められません)
・ 制服の購入費や洗濯代(通常のスーツや靴などは認められません)
・ 自己研修費(仕事と密接に関連した授業料などで、英語やコンピュータは通常不可)
・ 仕事に必要な書籍、文房具、携帯電話、コンピュータ、セミナーなどのための費用
このほか、慈善団体への2ドル以上の寄付や前年度の登録税理士費用など税務申告に掛った費用も必要経費の扱いとなります。
業務に直接関連した費用を現実に使い、領収書等で証明できるものであれば、限度額というものはありません。しかし、国税庁は、職業と収入額に応じた業務関連費の標準モデルを作っており、この基準を著しく超える場合には、説明を求め、詳細な資料の提出を請求することがあります。それでも納得しない場合には、税務調査が行われます。請求の根拠をきちんと説明できない場合、立証責任は納税者側にあり、最終的には罰金などを支払わなければならないことになります。オーストラリアでは自主申告制度(Self-assessment System)が採用されています。この制度では、申告された内容は正しいものとして扱われ、納税通知書(Notice of Assessment)が送付されます。その後に、必要に応じて詳細な机上調査が行われ、疑わしい場合には、現実の税務調査に入ります。納税通知書を受け取ったからといって、安心はできません。数年後の税務調査もあるからです。十分な根拠のない請求には大きなリスクが伴うことに注意してください。

必要経費の資料保存

私は会社勤めですが、仕事に必要だった費用の領収書など一部の資料がありません。どうしたら必要経費を全額請求できますか ?
給料などの収入を得るために使った費用は業務関連費として必要経費とすることができます。業務関連費を請求するためには、それを証明する資料が必要となります。300ドル以下の場合には、項目と金額や日時を記録しておけば十分ですが、300ドルを超える場合には、領収書などの文書による記録が必要となります。この場合、総額が300ドル以下であれば、自分の資料(メモ)を作成してください。総額が300ドルを超える場合には、すべてについて領収書などの文書が必要になります。資料がない項目については、関係する資料(クレジット・カード記録、銀行口座明細書、商品説明書など)により、できる限り詳細な自分の記録を作成して、国税庁の請求に備えることになります。
証拠書類は、2007年11月1日から5年間の保存が義務付けられています。税務調査は数年後に行われることもありますので、5年間の保存期間には注意してください。いずれにしても、税金に関する資料は、詳細に記録し、領収書などは忘れることなく集め、年度別に整理して保存しておくようにしてください。

スーパーアニュエーションの課税

スーパーアニュエーション(Superannuation)に対する課税を説明してください。
スーパーアニュエーションとは国民退職年金のことで、雇用主は、支払い給与額の9%の金額を、被雇用者のためにスーパー運用基金(Fund)に支払う義務があります。雇用主は、どこの運用基金にいくら支払ったのかを3カ月ごとに被雇用者に文書で知らせる義務があります。スーパーとは、被雇用者が自分で預金しているのと同じことです。運用基金に預けられた時点で15%の税金が取られますが、その後は運用により、毎年少しずつ増えます。原則として、60歳になると引き出すことができます。今までも優遇措置がありましたが、今度の改正では、さらに優遇が大幅に拡大され、退職に伴う引き出しは全額無税です。一時滞在ビザの所有者が永久的に出国する場合には、60歳を待たずに例外的に全額を引き出すことができます。最終的に手にする金額は、少なくてもオーストラリアでの給与総額の5.5%程度とお考えください。例えば、合計10万ドルの給与を得た場合には、最低でも約5,500ドル(税引後)となります(最新情報編参照)。

メディケア課税

ビジネス・ビザで働いています。所得金額は4万2,000ドルですが、税額7,950ドルのほかに、メディケア課税630ドルが徴収されています。これは何ですか ?
オーストラリアでは、メディケア(国民医療保険)の費用をまかなうために所得金額の1.5%でメディケア課税が行われています。また、独身者で所得等の金額が5万ドル、家族持ちで10万ドル(子供1人について1,500ドル加算)を超える方で、適格な民間医療保険(入院給付のあるもの)に加入していない場合には、1%の超過課税(Surcharge)が行われます。
しかし、オーストラリアの市民権を持たない方はこの国民医療保険を利用することができません。そこで、一度課税されたこの1.5%相当分をタックス・リターンにより取り戻すことができます。そのためには、健康保険委員会(Health Insurance Commission)の発行する証明書が必要となります。

税理士に依頼する場合の留意事項

税理士にタックス・リターンを依頼しますが、どんな点に注意すべきですか ?
自分の状況をできるだけ細かく説明し、よく分からない点は自分で納得できるまで質問し、完全に理解・納得した上で、タックス・リターンを行うことが非常に重要です。そのためには、税理士との十分なコミュニケーションが何よりも大切となります。

最新情報編

タックスやスーパーに関するお問い合わせは下記まで

鳥居税務会計事務所
登録税理士 鳥居育雄

【一口知識

【帰国に伴うスーパーアニュエーション(退職年金)の引き出しに対する課税】
一時滞在ビザ(学生、ワーホリ、駐在員など)所有者が永久的に出国する場合、それまで支払われたスーパーを引き出すことができる。一律30%の税率で課税される。
【チャイルド・ケア税額控除/Child Care Tax Rebate】
子供を適格保育所に預けている場合、実際に払った金額と公的補助金(CCB)との差額の30%を税務申告により取り戻すことができる(今回の対象は、2005年7月から2006年6月までのもの)。

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