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ケイントードが侵略しワニの数が増える - 2006年9月21日 |
ノーザン・テリトリーで異変
ワイルドライフ・マネージメント・インターナショナルの研究者が最近語ったところによると、かつてクイーンズランド州で、サトウキビの根を食い荒らす昆虫の幼虫を退治するために南米から輸入したガマのケイントードが増え、州境を越えてノーザン・テリトリーを侵略しており、そのために一部の河川でワニが増えていることが明らかになった。調査では、ダーウィンの南東にあるマッキンレイ川で従来の8倍ものワニの卵が孵卵していることが判明した。その原因として突き止められたのが、この地域のゴアナという食物連鎖の一環であった。ゴアナはワニの卵が好物であり、これまでワニが増えると卵の数が増えるため、ゴアナも増えるというメカニズムでワニの数が一定に保たれていた。ところがゴアナがオーストラリア原産のカエルのつもりでケイントードを捕食すると、背中の毒腺の毒で短時間に死んでしまう。「このあたりではとんとゴアナを見かけなくなった」と調査にあたった科学者が証言している。これまでゴアナは産卵されたワニの卵の85%から95%を食べてしまっていたが、現在では捕食率が20%くらいに減っている。今後ワニが爆発的に増えるのか、何らかの調整機構が働くのかは未知だが、ケイントードがノーザン・テリトリーの生態系を大幅に乱したことだけは確かだ。(AAP)
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