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北岡伸一・東大教授、シドニーで日本の安全保障問題について講演 - 2007年3月07日 |
▲北岡伸一・東京大学教授
シドニー日本国総領事館とNSW豪日協会はシドニー市内のブレーク・ドーソン・ウォルドロン法律事務所会議室で3月5日、北岡伸一・東京大学教授をスピーカーに招き「東アジアにおける日本と安全保障の諸問題−変わりつつある東アジアと日本の安全保障環境」と題した講演会を開催した。北岡氏は日本政府国連代表部次席大使として2004年4月から06年9月までニューヨークに赴任していた経歴を持つ。1995年の豪州政府招致による来豪以来のシドニー訪問。
北岡教授は日豪のビジネス界、政府機関、大学機関などからの聴講者約100人を前に、東アジア地域における日本の安全保障問題の現状について解説した。昨年7月にミサイル発射実験、10月に核実験を行った北朝鮮との関係について、隣国の韓国や中国、ロシアと比較して日本がどの国よりも最も危機度が高いとした。
中国との関係については、中国が経済発展が進む中で国防予算を19年連続して2ケタ代の伸び率で増大させている状況や、台湾問題を含む日中関係の現状を解説。また、日中関係の歴史について客観的認識を深めていくための日中歴史共同研究が、北岡氏自身が日本側の座長を務め、両国の有識者が参加して進められていることを説明した。
また、エネルギー問題や気候変動などの環境問題などを含め、国防に関する重要事項に対して事前に確固たる政策を持つため、内閣機関である国家安全保障会議の役割が重要になると結論づけた。
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