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留学で得た経験&スキルで、
現地で働こう !

遊びも勉強も大事だけど、その先にあるのが就職という現実。ここでは学生のアルバイト、卒業後の求職活動に必要な基礎知識をご紹介。

インタビュー

履歴書の書き方
面接のポイント

 大学や専門学校の卒業を控え、「さあ、いざ就職!」と考えている人も多いはず。しかし、慣れない海外での求職活動は、言葉の面ではもちろんだが、履歴書の書き方や面接の仕方など、日本の求職活動とは何かと勝手が違うもの。そこで、オーストラリア現地就職に必要な、英文履歴書の書き方と面接のポイントを、豪大手人材派遣会社スタッフ・サービス・オーストラリアの山口さんに聞いてみた。

スタッフ・サービス・オーストラリア
山口さん

Q:求職活動を始めるにあたり、日本人が最初に戸惑うのが英語の履歴書だと思います。英語と日本語では、履歴書の書き方がかなり違ってくると思うのですが、英語の履歴書の書き方と書類選考に受かるような履歴書のポイントを教えてください。

A:基本的な英語の履歴書の書き方ですが、まず一番上に名前、住所、電話番号、Eメール・アドレスなどの基本情報を記し、その後、学歴、職歴、仕事に関する実績、保持資格などを順番に書いていきます。学歴と職歴を書く上で注意したいのが、英文の履歴書は日本の形式とは逆に、最近の学歴・職歴から順に過去へさかのぼって書くことです。また、職務経歴を書く際には、謙虚になり過ぎず、これまでの成果を堂々とアピールするようにしましょう。そのほか、志望動機、希望職種、所属団体、語学力、ビザのステイタス、信用照会先の名前や住所などを必要に応じて書きます。
  履歴書は、仕事獲得の第1段階です。ここで上手く自己アピールできるかどうかで、第2段階である面接に進めるかどうかが決まります。求人企業は1日に数百通の履歴書を受け取ることも珍しくはありません。そのような環境下では、採用担当者が1通の履歴書に目を通す時間はもちろん限られます。となると、書類選考を通過するためには、その段階で目を引く、効果的なしっかりとした履歴書である必要があります。
  ポイントは、情報を整然と要領よくまとめ、提示する能力があることを、採用担当者にひと目で分からせるような履歴書を書くことです。誤字、脱字、スペリングや文法の誤りは問題外です。乱雑な書式や内容をつかむのに時間がかかる量の履歴書はそれだけで見る気がしなくなってしまいます。また、自分という人間を、読み手にできるだけ具体的に想像してもらえるような書き方をすることです。採用担当者に履歴書を通して自分に対する興味を持たせ、面接する価値があると思わせなければなりません。いかに効率的に分かりやすく、「自分」という商品をセールスすることができるのかが重要なポイントになってきます。
  また、学歴のほかに履歴書の中で最も採用担当者の目を引くのが職歴の部分です。この書き方によって「アピール度」が大きく変わってきます。まずは現在の仕事、あるいは直近の仕事から書き始め、過去にさかのぼりながら、1つ1つの職歴を書いていきます。職歴を記す際には、役職や勤務先の会社名に加え、職務や職責、実績も記述しますが、ここで大切なのが、強い説明的な言葉(Action words)を使って書くことです。Action wordsを使うことにより、インパクトのある簡潔な文章に仕上がります。

Employment History (職歴)

From年月 役職
to present(現在に至る) 勤務先
勤務先住所
職務や職責・実績を書く
(現在形で書く)

From 年月 役職
to 年月 勤務先
勤務先住所
職務や職責・実績を書く
(過去形で書く)

(※代名詞は使わず、明瞭で簡潔に表現すること)

 職歴が少ない方は、「自分はそれほどいろいろな経験もないし…」などと消極的になりがちですが、正社員でなくとも、アルバイトやボランティアなどの経験が評価されることもあります。できれば応募するポジションと直接関係のある職歴の方がいいのは確かですが、採用担当者にアピールできる内容であるならば、記入していいと思います。

オーストラリアで取得できる人気の資格ランキング
1. 会計士
2. 看護師
3. 調理師
4. 教師(小・中・高)
5. 通訳・翻訳
6. TESOL(英語教師)
7. MBA
8. パティシエ
9. ナチュラル・セラピー
10. 福祉
*ランキングは最近の日本人の専門学校・大学・大学院進学動向を基にした推計(調査:Staff Service Australia)

]オーストラリア現地就職に有利な資格とは?
  オーストラリアで就職するには、基本的には永住権が必要となり、そのため永住権取得に有利な資格がそのまま現地就職に有利な資格となる。左記ランキングのなかでは、TESOL、MBA(※)、ナチュラル・セラピーを除くすべての資格が永住権取得に有利な資格だ(※MBAでも場合によっては永住権取得が可能)。そのほか、ランキングにはないが、理学療法士、工学学士、工学修士、自動車整備資格、美容師資格、IT資格(Australian Computer Society 認定コース)なども永住権取得に有利となっている。
  また、左記資格の中でも最も就職に有利なのが看護資格。オーストラリアでは現在、看護師が絶対的に不足しているため、卒業見込みの段階でもほぼ100%就職内定先が決まると言っていい。教師に関しては、日本語教師の需要は若干下がり傾向にあるものの、理科、数学教師などはまだまだ就職に有利だと言える。

Q:書類選考をパスしたら、次はいよいよ面接ですね。面接に臨むにあたり、どんな準備をすればいいのでしょうか? また、面接に成功する秘訣を教えてください。

A:面接が決まったら、次のステップは面接時に不安にならないよう、事前準備をしっかりすることです。万全の態勢を整えておけば、本番の緊張も少しは和らぎます。 
  まず、自分の履歴書の内容をしっかり頭に入れてください。面接は履歴書を基に進められることがほとんどです。学歴や職歴の詳細をしっかり頭に入れ、日本語・英語両方で説明できるよう準備しておきましょう。英語が不安な人は自信がつくまで繰り返し練習することが大切です。
  次に、面接を受ける企業・業界のリサーチを行い、基礎知識を頭に入れます。主な事業所、業務内容、取扱商品、業界動向、最新情報などをホームページや業界紙で調べます。自分が働くことになるかもしれない会社のことなので、知っておいて損はありません。
  それができたら、想定される質問の答えを日本語と英語で準備します。自己紹介、長所、短所、趣味、セールス・ポイント、経験した職務の具体的な内容、経験で得たもの、困った経験やその対処、実績、将来の希望、企業への質問や意見など、何を質問されても大丈夫なように、英語・日本語両方で準備しておくことです。準備はし過ぎるということはありませんから、自分の納得がいくまできちんと行ってください。
  面接日当日は、時間に余裕を持ち、面接会場には10分前には到着するようにしましょう。言うまでもなく、身だしなみは大切です。服装だけでなく、髪型や爪、女性の方はお化粧やアクセサリーが華美になり過ぎないものを選択すると良いと思います。
  次に、面接に成功するための秘訣ですが、まず、採用側の企業が面接で何を見ようとしているのかを考えてください。企業が求める人材とは、もちろん「自社の利益に直結する人」です。候補者の経歴、すぐに仕事はできそうか、十分なスキルを持っているのか、意欲があるのか、周囲と上手に仕事ができそうか、人間性や性格はどうか…など、面接官は会話の中でいろいろな角度から応募者を吟味し、「総合的にどんな人間か」を厳しい目でチェックします。
  面接官の質問には、よく聞いて内容を理解した上で、適格かつ具体的に答えましょう。大切なことは、常に前向きに、自信を持って自分を売り込むことです。控えめな態度や不自然なごまかし笑いなどは不要です。もし面接官が言っていることが理解できなかったら、聞き直して内容を正確に把握してから質問に答えましょう。
  それから面接の際に覚えておきたいのが「やる気」の大切さです。積極的な態度は、面接で成功するための重要な資質です。面接が終盤にさしかかるころによく質問を求められることがありますが、ここが知識とやる気の見せ所です。自分を売り込むいい機会なので、事前に用意しておいた質問を面接官に投げかけ、企業や業界に対する知識と関心の深さをアピールします。面接の基本はセルフ・マーケティングだということを忘れないでください。

――履歴書も面接も、大切なことは「自分をいかにアピールするか」ということのようだ。事前準備をしっかりし、いよいよ求職活動をスタートさせよう。

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