高校卒業後すぐにシドニーへ留学
Sydney
カンバーランド病院(パラマタ市)
看護師
黒岩真一久さん
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友達とマンリーへ向かうフェリーでのひととき
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「マインド(精神)とボディ(肉体)の2つが正常に機能してこそ、人間は健康でいられるんです」――。現役大学生と言っても通じる、少年っぽさが残るルックスからは想像できないほど、言葉の芯がしっかりしている。
東京都江東区出身。地元の高校を卒業してすぐ、ノース・シドニーにあるオーストラリア・カトリック大学(ACU)附属の語学学校に入学した。1年間かけて基礎から英語を勉強。最初は全く話せなかったが、常に英語しかない環境に身を置いた。持ち前の好奇心を発揮してプライベートでも音楽に打ち込むなど現地の仲間を増やした。常に新しいことに挑戦しようという姿勢が、語学力アップにつながった。
最初から看護師という目標があったわけではなかったが、日本の母親が看護師として働いている、もともと医療分野に興味があった、人材が不足している職種なので仕事には困らない、看護師の資格が国際的にも通用する――などの理由から、看護師を目指すことを決意。1年間で英語力も上達し、ACUの看護学科に編入した。
「大学での最初の1年目は、とにかく大変でしたね」。授業や課題に付いていけず、すべてを投げ出して日本に帰りたいと思ったことも何度かあった。しかし、勉強だけではなく、趣味の音楽やプライベートの時間を楽しんでいたことが良かったのかもしれない。2年目からは要領を覚えて、勉強にも慣れてきた。授業3カ月、実習1カ月というハードなカリキュラムを繰り返し、大学生活を終えたのが昨年7月。人材が不足している職種だから、永住ビザも卒業後すぐに取得できた。シドニー市内のナーシング・ホステル(比較的介護を必要としない老人向けの施設)に約半年勤めて実務経験を積んだ後、今の病院に就職した。
強い精神力が要求される仕事だし、ストレスもたまる。でも「入院してきた患者さんが、どうしようもない状態から這い上がって元気になって、退院する時に言ってくれる『ありがとう』のひと言が励みになります」。
まだ23歳。将来の夢も膨らむ。「今、私が勉強している西洋医学が絶対だとは思いません。例えばインドのヨガや日本の指圧。そういったものを混ぜ合わせて、新しい流れを創る助けになりたい。オーストラリアは若い国だから、新しいものを創ることができる土壌があるんです」。
●これまでの経緯
2001年3月、日本の高校を卒業
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2001年3月、ACUの語学学校に入学
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2002年2月、ACUの看護コースに編入
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2005年7月、大学卒業
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2005年7月、ナーシング・ホステルに就職
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2006年1月、カンバーランド病院に就職
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何が変わった ?
来豪当初の目的であった英語を学ぶうちに、将来の目標も定まり、今では看護師として現地の病院に勤務するまでに大きく成長。
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オーストラリア留学を機に大きく成長した7人の先輩たち
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