無名の核エネルギー企業、政界に大波紋
政界経済界にコネのある大物が設立
2月27日、豪核エネルギー(ANE)社というこれまで無名だった企業が、原発の立地として、VIC州とSA州の土地選定を行なっていたと報じられた。株主活動家でCrikey.com.au設立者として知られるスティーブン・メイン氏によると、設立株主のロン・ウォーカー、ロバート・チャンピオン・ド・クレスピニー、ヒュー・モーガン各氏はいずれもナショナリスティックで「申し分のない政治的コネ」を持っている。しかし、同日の報道後直ちに同社が声明を出し、原発建設を積極的に推進しているという情報を否定した。ロン・ウォーカー氏は元メルボルン市長で連邦自由党財務部長を務め、2006年コモンウェルス・ゲーム誘致の立役者。「ウォーカー氏は世界最大のカジノ、クラウン・カジノを設立したし、グラン・プリも彼の業績。チャンピオン・ド・クレスピニー氏は1993年に、「今年の豪経済人」に選ばれ、スカバラ・ミネラルズの会長。ヒュー・モーガン氏は、オリンピック・ダム・ウラン鉱山を経営していた時期のウェスタン・マイニングの会長。モーガン氏はウラン鉱山に関しては専門家」とメイン氏は語る。しかし、報道後VIC州とSA州の州首相が「当州に原発を建てさせない」と声明、VIC州政府は、「原発建設の是非を州民投票にかける」と発表。国会では野党がジョン・ハワード首相や閣僚の関与を質問。イアン・マクファーラン・エネルギー相は、「原発に関しては活発な論議が必要」と述べたが、ANE社との関連は直答を避けた。与党内の原発支持派も自分の選挙区内に原発を建てることは支持していない。唯一、ハワード首相が「原発の隣に住むこともためらわない」と発言したが、モスマンに原発が建てられるはずがないという前提での発言。労働党は、「政府が核エネルギー特別調査委員会を設立した直後に設立されたANE社と政府との関係に疑惑を持たないわけにはいかない」としている。(AAP)
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