VIC州にクリーン・コール火力発電所
連邦政府も1億ドルを出資
3月12日、連邦政府は、VIC州に建設予定のクリーン・コール火力発電所建設予算7億5,000万ドルのうち、1億ドルを負担することを発表した。この火力発電所は、ラトローブ・バレーのロイ・ヤング火力発電所に隣接して建てられる予定で、石炭の燃焼過程で排出ガスを削減する「石炭ガス化複合発電(Integrated Gasification Combined Cycle (IGCC))」という技術を用いており、発表に立ったイアン・マクファーラン産業大臣は、新技術は、従来の石炭火力に比べ、温室ガス排出量を30%減らし、水使用量を半減することができるとしている。豪電力協会(ESAA)は、IGCC技術の開発はかなり進んでおり、エネルギー源としては温室ガス排出量の大きい褐炭を用い、多量に含まれている水分を取り除いた後でガス化し、燃焼させることで効率を高めると同時に排出ガスも減らすことができるとしている。クリーン・コール技術を開発してきたHRL社がロイ・ヤングの褐炭火力発電所プロジェクト管理を担当する。緑の党は、「新技術で(元々排ガス量の大きい)褐炭の排ガス量を現在火力発電所で使われている瀝青炭のそれと同じにするだけではないか」と批判している。ケビン・ラッド労働党党首も、QLD州イプスイッチの町で労働党の「5億ドルのクリーン・コール技術開発」計画を発表、年間240億ドルの石炭輸出市場は豪経済にとって重要。2020年までに技術を商品化したいと語った。一方、多くの炭田を抱えるQLD州のピーター・ビーティ州首相は、「なぜ、一番汚い石炭に投資するのか?」と褐炭ガス化技術への投資を暗に批判し、シェル社と政府企業スタンウェル社が合同して進めているプラントへの連邦出資がないことを「がっかりした」と語った。(AAP)
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