第86回アーチボルド賞発表
受賞作品はモノクロの油とワックスの絵
2月2日、2007年の第86回アーチボルド賞はウェールズ出身でシドニー在住のジョン・ビアードさん(63)が、20年以上も前に同じくアーチボルド賞を受賞しているジャネット・ローレンスさんを、リネンのキャンバスに油絵の具とワックスで描いたもので、作者は、ローレンスさんの肩から上を描いた憂いを漂わせた作品について、「人物の一瞬の表情を捉えたかった。ジョギング以上に心臓がドキドキしている」と受賞後の感想を語り、「今朝、友人には、賞運営組織からは何も連絡がないと嘘をついたので謝りたい」と続けた。また、「色は美と同じように見る者にある。レンブラントの線画やエッチングを見れば、黒と白だけの絵に豊かな色を感じることができる」と語っている。ビアードさんの手法は、黒と白の油絵の具にワックスを混ぜ、ベールのように薄く重ね塗りしていくことで、夢見るように朧な、褪せた写真の雰囲気を創り出している。賞金は$35,000。今回は41点が応募していたが、モノクロの作品は2点のみ。毎年ニューサウスウェールズ州立美術館で発表される「アーチボルド賞」は、芸術、文学、科学、政治などの分野で活躍している人物を絵筆または画材混合で描いた肖像画を対象とするコンテストで、「ブレティン」誌創始者の一人で豪ナショナリストのジャーナリストのジョン・フェルサム・アーチボルド(1856-1919)の遺志により創設された。
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