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社会 - 2007年3月15日

豪石綿被害、世界最高水準

医学ジャーナル「ランス」に研究報告
 「ランス」最新号に掲載された研究報告によれば、現在の石綿症発症数と過去の石綿消費量の間に明白な相関性が見られた。日本の研究者は、石綿消費量が急激に増えた1960年代の人口あたりの消費量を33か国の統計で分析し、2000年から2004年までの期間の肺または胸部の疾病発生率を比較し、オーストラリアの石綿関連疾患発生率が世界でも最高水準になることを突き止めた。研究者チームは、「この数字は、今後世界的に石綿症が大量発生する予兆といえる。生態系研究でも、石綿累積消費量と石綿関連疾患死亡率の間に明瞭な正の相関性が見られた。この結果は、石綿使用を世界的に停止しなければならないことを示している」と述べている。オーストラリアでは2003年に石綿が使用禁止になったが、何十年も前に石綿製品に触れたために、アスベスト肺、肺ガン、胸膜疾患、中皮腫などの疾病で毎年何百人もの人が亡くなっている。WA大学の石綿症研究者アリソン・リード氏は、石綿症患者数がピークを迎えるのはまだ10年以上も先のことで、それ以後減っていくだろうが、完全に消えるのははるか先のこと。オーストラリアでは石綿を大量に輸入し、鉱山で採掘し、あらゆるところに利用してきた」と述べている。また、「石綿関連疾患の治療は限られており、しかも疾患は致命的なものが多く、診断から死亡まで9か月ほどしかない。化学療法や根治手術を試みる医師もいたが、いずれも苦痛緩和医療であって、治療ではない」としている。ただ、多数の石綿関連疾患が予想されても、早期発見などの努力には意味がない。患者を見つけても治療法がないのだから、人々を怯えさせることにしかならない」と述べている。(AAP)


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