ファッション業界の裏側を調査
低賃金で高価な衣料を縫う内職女性
慈善団体「ブラザーフッド・オブ・セント・ローレンス」は、9月4日、メルボルン・スプリング・ファッション・ウイークに合わせ、「エシカル・スレッズ」の表題で、ファッション業界の内職女性搾取の実態報告書を発表した。報告書は、政府の過去10年の調査でも、ファッション業界の下請けで衣料を縫う女性たちが法定最低賃金以下の報酬で働いている事実が明らかにされているとした。女性たちの平均賃金は時間$3.60にしかならず、日に12時間、週7日働くことも珍しくなく、条件はますます悪化する傾向にあるとされている。ある女性は、「日に8時間、週5日では週に$100にしかならずとても足りない」と答えている。報告書は、オーストラリアの衣料産業が内職を生産基盤にしており、普通英語力に乏しい移民女性が極低賃金で働いている。また、インドや中国など海外の内職の実態はもっと劣悪だとされている。また、業界の80%を占める中小企業のほとんどが、企業の資本規模が小さいため、衣料を良心的な労働条件で作ることができないと考えていることも明らかになった。報告書著者の一人エメル・ディビニーさんは、「消費者は製品がどんな作られ方をしたかを気にしないと衣料メーカーが考えるならそれは大間違いだ」と語り、調査に協力した企業、労働組合、労働者、非政府団体、業者団体、政府機関、大学に讃辞を贈り、「業界の問題点を明らかにしたこの報告書作成のために協力した人々は、業界の労働条件改善のために協力したことになる」と語った。報告書は、零細企業や内職女性のために、作業の流れの合理化、法定最低労働条件の確立、内職女性の技術訓練コースの運営、「良心的製品」のラベル発行などを行う試験的な良心的製造センターの設立を勧告している。(AAP)
この記事はAAP配信記事の忠実な翻訳であり、日本国内の報道と合致しない記述も含まれています。
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