母乳で子供が成長してアレルギーに
アレルギーのある母親から
メルボルン大学とホバートの医学研究者は、TAS州の住民8,500人を対象に長期健康追跡調査を行い、その研究論文が、10月1日発行の「Journal of Allergy and Clinical Immunology」に掲載された。研究によると、母乳は乳幼児の健康を保護する効果があるが、母親にアレルギーがある場合、子供が成長し、思春期や成人になる頃にアレルギー体質が現れ、喘息や湿疹の症状を示すようになる危険が大きい。また、家族にアレルギー体質がない場合、子供の皮膚反応には何の保護作用もないことが明らかになった。この研究結果は、母親にアレルギーがある場合、ハイ・リスクの子供をアレルギーから守るためには母乳を与えると良いという慣行を再検討するきっかけになるだろうとしている。生後3か月に母乳だけで育てられた子供は、7歳になる頃までには喘息や食品アレルギーを発症するリスクが軽減されることが明らかになったが、その後はリスク軽減傾向が逆転し、14、32、44歳になる頃には喘息、食品アレルギー、花粉症などのリスクが高まることが分かった。研究の中心になったメラニー・マシソン博士は、「母乳がアレルギー症状発症のリスクを増大させるものだという発見は議論を呼んできた」と語っている。マシソン博士は、「7歳を過ぎてからアレルギーの発症が増えるメカニズムを突き止めるためにはさらに研究を重ねなければならない。母体から抗体が子供に渡されるからかもしれないし、衛生状態が良くなったことや幼い時期に感染源に触れることが減ったためかもしれない」としている。ただし、「この研究結果だけで、母乳をやめろとはいわない。ただ、子供のアレルギー防止のために他の方法も取ることを勧める」と語っている。(AAP)
この記事はAAP配信記事の忠実な翻訳であり、日本国内の報道と合致しない記述も含まれています。
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