元婚約者、英国で逮捕 95年のモデル死亡事件
シドニー東部郊外のワトソンズ・ベイにある観光名所、「ザ・ギャップ」の崖の下で1995年7月8日早朝、モデルのキャロライン・バーンさん(当時24)が死体で発見された事件で、英国の警察当局は4月3日、ロンドン在住のゴードン・ウッド容疑者(43)を逮捕した。同容疑者は豪州に移送され、取り調べを受ける見通し。
大富豪として知られた実業家のレーン・リブキン氏(昨年自殺)の運転手を務め、バーンさんの婚約者だった同容疑者は事件の前夜、バーンさんと行動していたとの複数の目撃証言があり、当時から事件への関与が疑われていた。センセーショナルなトップ・モデル転落死事件の捜査は、発生から11年を経て、真相解明に向けてようやく動き出した。
ウッド容疑者は62年、英国に生まれ、84年にオーストラリアへ移住、事件当時はリブキン氏の師弟だった。地元有力紙「シドニー・モーニング・ヘラルド」などの報道によると、93年のクリスマス・イブに大手印刷会社、オフセット・アルパイン・プリンティングの社屋が全焼した火災事故に絡み、ウッド容疑者は火災が保険金目当ての仕組まれた放火であり、保険金が支払われた際は株価が急騰するとして、バーンさんの父親に同社株の購入を薦めていたとされる。バーンさんがこの火災に関する何らかの秘密を知っていたことから、トラブルに巻き込まれたのではないかとの憶測を呼んでいる。
実際、94年6月には約5,300万ドルの保険金が同社に支払われたが、事件直前の95年6月、リブキン氏とウッド容疑者はオフセット社の株式に関してオーストラリア証券取引委員会の取り調べを受けた。後になって、リブキン氏がスイスの2銀行名義の同社株38.5%を実質的に所有していたことが明らかになっている。リブキン氏は、政界の黒幕として知られた労働党の元大物政治家、グレーム・リチャードソン氏とも関係が深く、この事件ではリチャードソン氏の名前もたびたびマスコミを賑わせてきた。
ウッド容疑者は98年に豪州を離れ、高額の所得を得ながら欧州を拠点に生活していたとされる。04年、NSW州警察は起訴に十分な証拠があると発表した。この時、同容疑者はフランスのスキー・リゾートで暮らしていた。05年からは年収15万ドルのフィットネス・コンサルタントとして雇われ、ロンドンに移り住んでいたという。
この記事はAAP配信記事の忠実な翻訳であり、日本国内の報道と合致しない記述も含まれています。
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