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国際 - 2007年2月16日

日本の調査捕鯨船、南極海で火災−乗組員1人死亡か

NZ政府が石油流出の危険性を警告
 南極海を航海中の日本の調査捕鯨船「日新丸」で15日、火災が発生し、乗組員1人が死亡したと見られている。NZ海事当局のスポークスマンによると、乗組員142人が救助に来た別の捕鯨船3隻に移動し、20人が消化活動のため船内に残ったが、出火地点付近にいた1人が死亡した可能性があるという。捕鯨船を指揮する日本鯨類研究所(ICR)によると、この乗組員は鹿児島県出身のマキタ・カズタカさん(27)。マキタさんは、日新丸が15日午前3時15分にNZ当局に向けて緊急信号を発信した12時間後も、依然として行方不明だという。環境保護団体グリーンピースのエスペランサ号が最初に同船の緊急信号を受信したが、同船からの救助の要請はなかった。火災は船内の鯨の死体を処理する所から発生したが、既に鎮静化している。同船は130万リットルの石油を積載しており、ニュージーランド(NZ)のクリス・カーター自然保護相は、消化活動のため汲み上げた水により同船が傾き始めているとして、環境に重大な影響を及ぼす危険性があると警告。同船が積載する重油50万リットルと燃料油80万リットルが少しでも流出したら、付近にあるペンギンの営巣地に深刻な被害を与えると述べた。同船は南極のアデア岬沖175キロに漂流しているが、NZの組織「南極ニュージーランド」のルー・サンソン代表によると、アデア岬は世界最大のペンギンの営巣地で、繁殖するつがいが25万組はいるという。同代表は「船は海岸からかなり離れているが、海流が海岸に向かっており、非常に懸念している」と述べている。当局によると、15日夕の時点で日新丸から石油は流出しておらず、沈没の危険もない。一方で、カーター自然保護相は既に、環境保護のため国際的な対応が必要になった場合に備えて、日本、オーストラリア、米国、英国など南極条約の締結国に連絡を取っており、NZ海軍は軍艦2隻を現地へ向かわせることが可能という。なお、日本の捕鯨船のうち1隻が今週始めに、強硬派の環境保護団体シー・シェパードの抗議船と衝突している。抗議船2隻は現地を離れメルボルンに向かっているが、メンバーがオーストラリアで審問を受け告訴される可能性もあるという。(AAP)


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