2007年の消費傾向いぜん強気
昨年3回の利上げも水を差せず
2006年後半の石油価格高騰が鎮静し、低下傾向を見せるのと歩調を合わせるように、今年1月の小売り部門での消費が跳ね上がっている。オーストラリア統計局(ABS)が発表した2007年1月の調整後消費額は186億ドルに達し、2006年12月比較で0.9%伸びている。この数値は、1か月間の消費成長率としては2006年11月の利上げ前から比べても最大の伸び率であり、エコノミストが予想していた伸び率0.5%をはるかに上回っている。ロイヤル・カナダ銀行のスリン・オング主任エコノミストは、「明らかに国民は3回の利上げにも耐えられる消費力を示している。先日は株式市場で調整が行なわれたが、好調な労働市場、活気のある消費者心理、株式市場の全般的な右上がり傾向などを考え合わせると、消費ファンダメンタルは依然堅調だ」と語っている。3月6日に予定されている連邦銀行理事会でも、消費増大はまだ懸念とはならないと予想される。先週にはグレン・スティーブンス総裁が、「インフレ圧力が鎮静化した現在、利上げを急ぐ理由はない。しかし、インフレ圧力が高まることがあれば、「たとえ選挙年であっても利上げに躊躇しない」と語っている。世帯の小売り部門支出の伸びは家庭用品が2.9%上昇、食品部門が1.1%、大規模小売店が0.7%となっている。ただし、レクリエーション用品は2.4%も下がっている。ABN AMROのキエラン・デイビーズ主任エコノミストは、「食料品が2005年以来最大の伸びを見せているのは驚きだが、これは干ばつの影響が現われているものと推測できる」と語っている。しかし、干ばつは貿易部門に大きな影響を与えており、2006年第4四半期の貿易収支赤字が151億ドルに膨れ上がった。(AAP)
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