NSW、「ムスリム移民禁止を」とフレッド・ナイル
イエマ州首相、直接批判を避ける
3月10日、NSW州議会上院のキリスト民主党のフレッド・ナイル議員は、「オーストラリアに移民している30万人のムスリムの影響について真剣な調査が行なわれていない。ムスリム移民を禁止し、慎重な評価をすべきだ」として、ムスリム移民の即時停止を要求した。民族共同体会議(ECC)と緑の党は即座に同議員の発言を批判し、現役議員で3月選挙に立候補しているリー・リアノン下院議員は、全主要政党にナイル議員とのプレファレンス取引を停止するよう呼びかけた。3月11日、ムスリム人口の多いシドニー南西部ラケンバを地盤とするモリス・イエマ州首相は、「ナイル氏の意見には反対だが、彼にも自分の意見を表明する権利がある。我が国法に従い、価値観を尊重し、勤勉に働き、移民資格基準を満たす者は、何者であれ、その出身にも肌の色にも関係なく、我が国は歓迎する」と語ったが、ナイル議員の発言を直接批判することは避けた。また、野党のピーター・デブナム党首も、今回の選挙で自由党はキリスト民主党とのプレファレンス取引を停止するか? という記者の質問に正面からの回答を避けた。ECCのジャスティン・リ副議長は、「ムスリムのオーストラリア国民の圧倒的大多数は法に従う市民だ。過去の白豪主義復活のような政策を許すことはできない。信条や民族を、オーストラリアへの移民、あるいはオーストラリア市民権取得の条件にしてはならない」と語った。連邦緑の党党首ボブ・ブラウン議員は、ナイル氏の発言は「憎悪の政治」を煽るものだ。「ナイル氏は憲法をよく読んだ方がいい。国政レベルの問題を州選挙で語ろうとしていることが分かるだろう。彼がその政策を主張したいなら連邦選挙に出ればいい。あっという間に『過去の人物』になるだろう」と語った。(AAP)
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