財務相、住宅ローン新規制実施を否定
「ローン貸し出しには慎重な態度を」と呼びかけ
天然資源ブームに沸く一部の州を除いて不動産ブームがピークを過ぎ、住宅ローンの担保物件の価格が停滞または下落し、しかも度重なる利上げの追い打ちで住宅ローン滞納のケースが増えている。この問題に関して、ピーター・コステロ財務相は、ブーム中に貸し出しの際の信用基準が甘くなっていたことに言及し、「ただし、問題を起こしているのは後発のローン機関だ。このような後発ローン機関は貸し出しの際に顧客の経済力を慎重に審査すべきだ。さもないと機関がリスクを負うことになる」と語り、2006年に銀行幹部と話し合い、信用基準を下げないよう求めたことを繰り返し明言した。また、「借りる方も慎重に判断し、借りる際にも十分な余裕を見ておくべきだ」とした。ただし、「過去のような金融機関規制に戻るつもりはない。金融自由化で様々な利益があったではないか」と語っている。さらに、「今年は選挙年だが、住宅ローン返済で四苦八苦している世帯は、5月の予算案に減税を期待しない方がいい」と警告した。3月1日に発表されたデータでは、2007年後半に再び経済が加速する可能性が示されており、年末の選挙に合わせて政府の経済手腕を証明することになるが、財務相としては、経済を刺激しすぎて、選挙時にインフレに見舞われることを避けたいはず。ただ、5年連続減税を完全に否定することも避け、「厚生、教育、国家安全保障、国防などの予算を計上し、均衡させた上で余剰があれば、減税も考える」とした。また、先週にはジョン・ハワード首相が、家賃高騰にあえいでいる借家世帯には政府の援護をほのめかしたが、コステロ財務相はこれを否定した。(AAP)
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