レールコープに罰金措置
シドニー南部ウオーターフォールズ脱線死亡事故
2003年1月31日午前7時過ぎ、シドニー南部ウオーターフォールズ駅から2キロほど南の地点で、電車運転中のハーマン・ツアイデス運転士が心臓発作を起こした。運転席には運転士に異常が起きた場合や、運転士がいない状態ではブレーキがかかるよう「デッドマン・ペダル」という機構を備えているが、この事件では意識不明になった運転士の体重がペダルにかかったままの状態になっていた。その結果、電車が暴走し、カーブを曲がりきれずに脱線横転、運転士と6人の乗客が死亡、16人が負傷した。NSW州労使関係調整委員会は、レールコープの安全管理怠慢を認め、$385,000の罰金を言い渡した。州政府ジョン・ワトキンズ運輸大臣は、「この判決は妥当だと思う。ただし、どんな罰金も被害者やその家族に安らぎをもたらすことはない。レールコープの安全管理の姿勢が改善されることだけが被害者にとって慰めになることと思う」と語った。委員会の審理でレールコープは有罪を認めていた。しかし、レールコープ(事故当時は州鉄道局)は、事故を起こした「タンガラ」型車両のフット・ペダルに問題があることは1988年から知っていたとされている。1977年1月18日に通勤客83人が死亡したグランビル事故関係者で構成する鉄道安全提唱団体グランビル・メモリアル・トラストのジョン・ヘネシー氏は、「委員会の審理を毎回傍聴した。問題は罰金がどうなるのかということだ。鉄道安全のために金が要るのに、州財務省に金が入るだけで、鉄道網は劣化する一方なのに施設改善のために使える金が罰金で持ち去られる」と批判している。また鉄道市電バス労働組合NSW支部のニック・レオスキ書記長は、「金で片づく問題ではない。責任者に刑事罰を」要求した。(AAP)
この記事はAAP配信記事の忠実な翻訳であり、日本国内の報道と合致しない記述も含まれています。
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