混乱の度を増す連邦政府の病院介入
TAS州病院の医師抗議辞職
8月2日、連邦政府のトニー・アボット保健相は、「タスマニア州北西部の病院縮小問題に対する連邦政府の介入は、住民を見捨てるなという州政府に対する警告だ。デボンポートほどの町に総合病院を置けないというのはおかしい」と語った。マージー病院だけに連邦から年間4,500万ドルを支出する件についても、「その分だけ州政府は他の病院に予算を回すことができるはず」と語り、人口の少ないTAS州北西部に60キロを隔ててデボンポートとバーニーに二つの総合病院を置くことについても、「バーニーは州政府、デボンポートは連邦政府が資金を出せばいいこと」としている。ケビン・ラッド労働党党首は、8月2日、「全国に百を超える病院が予算や人材不足で悩んでいる。なぜ、マージー病院だけが特別なのか?」と政府の意図を問題にした。もともと州政府のマージー病院縮小の理由は財源問題ではなく、QLD州やWA州の「インド人医師事件」で明らかになったように、オーストラリア社会の慢性的な医療専門家不足であり、近接する総合病院が共倒れになるよりもバーニーの病院を充実させようという計画であり、医療専門家の支持も受けていた。しかし、アボット保健相は、「医療専門家募集は難しくない」としている。TAS州のマイケル・エアド財務相は、連邦政府が包括的な病院改革計画なしに個別病院に肩入れすることを批判し、「州政府はデボンポートのICUをバーニーに移すことになっているが、ハワード氏はマージーにICUと専門的な外科医を維持するつもりだろうか? 年間4,500万ドルではとても足りないのだが」と連邦政府の意図をはかり兼ねている。8月3日になって、北西地域病院(NWRH)の婦人科小児科病棟のマイク・ソンダース医長がハワード首相の介入を批判し、辞職した。病院のスティーブン・エア理事長は、「ソンダース医師は臨床医療の指導的立場にあり、医療サービス改善のために州の医療改革を支持してきた。ロンセストン総合病院の医師もハワード首相の介入に困惑しており、今後辞職者が続出する可能性もある」と語っている。8月3日、サザン・クロス・ブロードカスティング系ラジオ番組で、マイク・カールトン氏が、トニー・アボット保健相に、「今回の介入は選挙目当てではないと言明してくれ」と誘ったが、保健相は拒否した。(AAP)
この記事はAAP配信記事の忠実な翻訳であり、日本国内の報道と合致しない記述も含まれています。
|
オーストラリア発最新ニュース
政治のニュース
過去の記事
|