先住民族社会介入法が下院通過
調査委員会も議論も抜きで
アボリジニ・コミュニティでの児童性虐待をなくすため、連邦政府が北部準州の先住民族社会に大幅に介入する権限を裏付ける新法が8月7日に下院に提出され、同日夜には与党と労働党の賛成で可決された。また、抱き合わせで上程された他の5法もすべて可決された。新法案が上院も通過すれば、連邦政府は、アボリジニの共有地を5年間取り上げ、先住民族区域の立ち入り許可制を廃止し、アルコールとポルノを禁止することができるようになる。可決された抱き合わせ法案では、親が子供に対する扶養義務を怠ったり、子供を学校にやらなかったりした場合、社会保障給付金支払いを差し押さえ、生活必需品購入にのみ充てるなどの措置が可能になる。マル・ブラフ先住民族問題大臣は議会で、「オーストラリアの歴史始まって以来、初めて先住民族とりわけ子供たちの生活を真に改善することを希望する。ここにある法案がそれを可能にする」と語った。労働党は修正案を出したがいずれも与党議員の人数に押し切られた。一方、豪法律家会議、先住民族代表団、北部準州マレン・スノーデン議員らは、「連邦政府が議会規則を乱用した」と批判、法律家会議のティム・バッグ氏は、「長年この問題を無視してきた連邦政府が今になって大急ぎで法律を通過させようとする意図が理解できない」と述べた。マル・ブラフ大臣は、「法律通過が遅れればそれだけ子供たちが危険にさらされる」と演説したが、傍聴席から野次が飛んだ。また、ジョン・ハワード連邦首相は、一部の児童の健康診断結果を児童福祉機関に照会したと語っている。また労働党が、新法中の、今回の介入活動の人種差別禁止法適用中止を定めた条項を削除する修正案を出したが、ブラフ大臣は、「人種差別禁止法」のおかげで連邦政府の介入が遅れた、「人種差別禁止法」を停止していれば速やかに介入できていたはずだと、禁止法の存在を非難し、労働党の修正案を退けた。(AAP)
この記事はAAP配信記事の忠実な翻訳であり、日本国内の報道と合致しない記述も含まれています。
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