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政治 - 2006年8月20日

治療目的の胚性幹細胞研究に反対

アボット厚生相発言の波紋
 現在、治療目的であっても、胚性幹細胞の研究は予備の体外受精胚に限られている。しかし、胚性幹細胞には難治性の疾患への効果があるという説も有力で、政府が禁止政策を取っているこの数年、研究解禁の意見は高まるばかりである。先日民主党のナターシャ・ストット・デスポーヤ上院議員が単独で議員立法を策定すると宣言したのに続いて、自由党の元厚生大臣ケイト・パターソン議員も議員立法の計画を宣言した。そればかりでなく、社会政策では非常に保守的なジョン・ハワード連邦首相も、治療目的の胚性幹細胞研究解禁の法案が上程された場合、各議員の自由投票を認めると発言した。そこに来て、8月20日、社会政策においてはハワードのさらに右に位置するカソリック超保守のトニー・アボット厚生相が解禁に反対し、「科学者は、納得のゆく証拠も示さずに幹細胞研究を拡大すれば難病に画期的な医療が開けると欺いてあてのない希望を持たせようとしている。一旦幹細胞研究を許せば、後は坂を転げるようにクローン人間にまで行き着くことだろう」と激烈な言葉で研究を提唱する科学者を批判した。パターソン上院議員の法案は、今年6月に提出された胚性幹細胞研究の解禁を勧告する専門家のロッカート報告に基づいているが、閣議はこの報告を退けていた。アボット厚生相の発言に対して、労働党厚生担当ジュリア・ギラード議員は、「トニー・アボット議員は、厚生大臣として事実に基づいた冷静な議論を進行させる義務があるにもかかわらず、自ら煽動的な言葉で問題をすりかえようとしている。胚性幹細胞研究とクローン人間はまったく別物で、クローン人間を支持する議員は一人もいない」と批判した。(AAP)


この記事はAAP配信記事の忠実な翻訳であり、日本国内の報道と合致しない記述も含まれています。
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