心臓にいい善玉コレステロール
悪玉コレステロールを排除するだけではダメ
9月27日、シドニーの心臓医学研究所(Heart Research Institute)が中心になって行った研究報告が出された。それによると、悪玉コレステロールのレベルを下げることに成功しても、善玉コレステロール高比重リポ蛋白値(HDL)が低いと心疾患のリスクは減らないとされた。研究者は、悪玉コレステロール(LDL)の量を、ハイリスク患者の積極的治療での推奨低レベル値である1.7ミリモルまで下げた患者を対象に研究した。全員が心疾患のリスクを下げているが、HDLが1ミリモル未満の患者は心疾患保護が十分ではなかった。研究をリードした研究所長のフィリップ・バーター教授は、HDL値の低い人は高い人に比べれば心疾患のリスクが40%ほど高いとしている。研究は、LDL低下剤で治療した1万人を対象に実施され、27日付New England Journal of Medicine誌に掲載された。この研究から、肥満が低HDL値の原因になっているようなところではコレステロール治療が有効に働く可能性がある。オーストラリア成人の半数が、保健機関の推奨するLDL上限値の5ミリモルを越えており、スタチン製剤はLDLを半減させるのに有効であっても、この薬で治療した患者には依然として心不全のリスクが残っている。バーター教授は、「これまで、LDL値が極端に低ければ、HDLの値は問題にはならないと考えられていたが、今回の研究の結果から、LDL値が健康的であっても、HDLの値が問題だということが明らかになった」と語っている。(AAP)
この記事はAAP配信記事の忠実な翻訳であり、日本国内の報道と合致しない記述も含まれています。
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