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国際 - 2007年2月26日

チェイニー米副大統領帰国

同盟固めの訪問を終えて
 ブッシュ政権のイラク政策破綻が現実になり始めている現在、同政権は2万強の増派を提案する一方で、崩壊の危機にある米主導の同盟を固めるためにディック・チェイニー副大統領を西太平洋同盟国訪遊に送り出していたが、そのさなかにイギリスが1600人の派兵縮小を発表した。最後の訪問先オーストラリアでも米副大統領は必ずしも歓迎される客ではなかった。民主党のナターシャ・ストット・デスポーヤ上院議員は、NSW州政府が法を修正し、米副大統領護衛のシークレット・サービスの武器携帯を許可したことを批判し、また副大統領の車が円滑に移動できるようシドニー市内の交通規制を行なったことには市民の不満が噴き出し、ジョン・ワトキンズ州警察相が、「9月のAPEC時の混雑はもっとひどくなるだろう」と声明する始末。ガンタナモ湾米軍刑務所に拘留されている豪人デビッド・ヒックス問題では、過去5年間にわたり米政権の発表を鵜呑みにしてきたジョン・ハワード首相でさえ世論に押され、チェイニー副大統領に裁判を催促しなければならなかった。また、ケビン・ラッド野党党首との会談ではラッド氏が労働党の豪兵イラク撤退政策を明らかにした際も、副大統領は、「何があろうと米豪親善が阻害されることはない」と外交辞令を述べただけ。シドニー市内では、イラク侵略の黒幕チェイニー副大統領訪豪に反対するデモ隊が警官隊と衝突、12人が逮捕された。副大統領が、「ブッシュ大統領も私もイランとの武力衝突を選択肢として捨てていない」と発言し、ハワード首相は共同記者会見で、「米主導のイラク侵攻軍が敗れれば、イランの影響力が強くなるだけ」と語った。2月25日午前9時、副大統領は3日間の滞在を終えてエア・フォース・ツーで帰国したが、シドニー国際空港で発電機故障のため、離陸が遅れる一幕もあった。(AAP)


この記事はAAP配信記事の忠実な翻訳であり、日本国内の報道と合致しない記述も含まれています。
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