タスマニア州のパルプ工場認可間近
「自然豊かなタスマニア」が命の地場産業は猛反対
8月20日、連邦政府のマルコム・タンブル環境相は、「大手林業会社ガンズ・リミテッドが20億ドルをかけてTAS州北部タマー・バレーに建設を計画しているパルプ工場建設には、早ければ来月(9月)にも連邦政府の認可が下りるだろう」と発表した。TAS州労働党政府は既に同計画の認可迅速化を図る法律を成立させているが、建設計画そのものの検討は8月21日から始まる予定。連邦野党労働党も、「今年の選挙で政権を取っても、建設認可を取り消すことはしない」と発表している。タンブル大臣は、環境省の助言に従い、環境基準の認可には厳しい条件を課する他、8月末まで一般の意見書を求めている。TAS州政府は8月21日に、州の環境管理汚染防止局が実施したパルプ工場調査報告書を議会にかける。連邦政府は、工場建設計画が全国的な見地で環境に対する重大な影響を及ぼすかどうかを判断しなければならない。連邦政府は絶滅危惧種動植物、渡り鳥、領海海洋生態系を管轄し、州政府は大気汚染、悪臭、工場出入りの交通などは州政府の管轄となる。ガンズ・リミテッドのジョン・ゲイ社長は、「連邦政府の環境基準は当然のことだ」としている。連邦野党の環境担当ピーター・ギャレット上院議員は、「労働党が連邦政権を握っても、同社が厳しい環境基準を満たすなら建設計画はそのまま存続する」と語った。しかし、緑の党のボブ・ブラウン上院議員やウイルダネス・ソサエティなどの環境保護団体は連邦与野党を非難しており、タスマニア州のワイン、漁業、観光などの業界は、州、連邦双方の政治家に、パルプ工場建設環境基準を厳しくするよう働きかけている。(AAP)
この記事はAAP配信記事の忠実な翻訳であり、日本国内の報道と合致しない記述も含まれています。
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