「ビルマ軍政に経済制裁はしない」とダウナー外相
日本人ジャーナリスト射殺される
9月26日、生活難に端を発した反軍政仏教僧侶の抗議行動は市民を巻き込んで拡大。軍政の警察と軍隊が僧侶市民3人を射殺、撲殺し、多数に傷害を負わせたと報道された。アメリカは直ちにこれまでの経済制裁強化と軍政の人物のビザ発給停止継続を声明した。ビルマ(ミャンマー)の反軍政市民決起は一説に3000人の犠牲者を出して敗北した1988年以来初めて。ニューヨークで国連会議に出席しているアレグザンダー・ダウナー外相は、「経済制裁は無力で、むしろ一般国民を苦しめるだけ。オーストラリアはビルマとの貿易がほとんどないので経済制裁も無意味。近隣諸国の働きかけが最善の方法。オーストラリアの立場からすれば、ビルマの軍政を援助しており、軍政に影響力を持っている中国と交渉することができ得る最善の方法」と語った。オーストラリア国立大学研究員で駐ビルマ大使を務めたことのあるトレバー・ウィルソン氏は、「今回の一連の衝突はビルマの転回点になるかもしれないが、楽観的にはなれない。国連安保理事会の決議がない限り経済制裁も実効性がない」と語っている。国連安保理事会では、中国とロシアが一貫して国連決議によるビルマ軍政経済制裁に拒否権を発動している。9月27日、警察、軍隊の発砲で犠牲者はさらに増え、首都ラングーン(ヤンゴン)市内でAFP通信社のビデオ・ジャーナリスト、長井健司さん(50)が射殺された。ビルマ政府側は「流れ弾に当たった」としているが、ビルマ国民と服装が異なり、ビデオ・カメラを持ったカメラマンは目立つこと、銃弾が心臓を貫いていることから、軍隊に狙い撃ちされた可能性も言われている。9月28日、日本政府はビルマ軍政に対して長井さん射殺に対して抗議し、市民への暴力停止を要求すると声明している。(ミャンマー、ヤンゴンは軍事政権「国家法秩序回復評議会」の決めた呼称)(AAP)
この記事はAAP配信記事の忠実な翻訳であり、日本国内の報道と合致しない記述も含まれています。
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