ANSTO会長にジギー・スイトコウスキー任命
「利害の抵触」との声も
3月4日、元テルストラ社長で、先には連邦政府の指名で「核エネルギー利用可能性特別調査委員会」を率い、原発推進を勧告したジギー・スイトコウスキー氏が今度は豪原子力科学技術機構(ANSTO)会長に指名された。指名を発表したジュリー・ビショップ科学大臣は、「国を挙げて、化石燃料に代わるエネルギー源として原子力利用を議論している現在、氏は最適任者」と自画自賛したが、オーストラリア自然保護財団(ACF)のデイブ・スイーニー氏は、「政府がスイトコウスキー氏の原子力調査委員会報告書に何の対応もしていない段階でそのスイトコウスキー氏をANSTOの長に任命するのは、適切な手続きと議論を避けてひたすら原子力エネルギー開発に邁進する政府の意図を示すもの」と批判。「政治家も国民も、原子力というもっとも危険性の高いエネルギー源の是非を議論しているはずなのだが、政府の態度は中立性、厳格さ、透明性、健全性に欠けている」とした。さらに、「もともと原発推進派のハワード首相が、原発推進論者を選んで特別調査委員会に任命し、調査委員会は、具体的なコスト計算も立地条件も示されていないずさんな「初めに原発ありき」の報告書を作成、しかも原発の安全性確保の問題と放射性廃棄物処理という二つの主要問題にも触れておらず、すでに広い方面から批判を浴びている」とも述べている。ちなみに、ハワード首相が「気候変動には原発がもっとも有効」と提案して以来、世論調査では大多数の回答者が原発開発に反対しており、VIC、QLD、SA、NSWなどの州がすでに州内原発建設反対声明を出している。(AAP)
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